知る人ぞ知るゲーム・ミュージック・バンドの金字塔S.S.T.Bandのベスト版.
93年の解散から10年強, ファンの待望であったと言えるでしょう.
しかしながら, このアルバムの発売は, 昨今のリバイバル・ブームとしてだけではなく, ゲーム・ミュージックという1つの音楽ジャンルをうち立てた彼ら独自の音楽性を再評価するよいきっかけとして捉えてもらいたいです.
その意味では, ファンはもちろんのこと, これまで触れたことのなかった人も必聴です.
ライナーにはメンバーの座談会の模様が収録.
このアルバムの反響次第では, 再結成もあるとのことです.
期待しましょう.
セガのバンド、スーパーソニックチームの演奏で送る
ゲームミュージックアルバム。
バブル絶頂期でテクノ全盛期のためピコピコサウンドよりなのは
目を瞑ってほしい気がする。
旧作のアレンジとして『アフターバーナー』のFinalTakeOffと
『アウトラン』のSplushWaveが収録されている。
最初に聞いた瞬間にこれくらいアレンジが効いた状態で
ゲームがプレイ出来る日が来ればどんなに幸せな事だろうと
妄想モードが全開になった10代の秋であったが、その日は未だ来ていない。
他にはメガドライブ版のテレビCMのBGMとして流れた
『スーパー
モナコGP』のアレンジや、カシオペアの野呂一生氏の
ロックチューンバリバリな『ターボアウトラン』
そしてファンキーなDJヒップホップ系にチューンされた
『テトリス』などが続く。
なんとなくゲームサウンドからは逸脱した感を受けるのだが
年月が経つにつれコレもありかと納得してしまった。
オリジナルサウンドの方は『テトリス』『ターボアウトラン』
『ゴールデンアックス』と胸が熱くなる
タイトルが収録されている。
落ちゲーのカリスマである『テトリス』は音楽も整然としつつ
ハートに残る硬質さが刺激的。『ターボアウトラン』は前作の
『アウトラン』に比べへビィな感触が濃厚なロックサウンドで
ドライブしつつ聴くとついアクセルを踏み込みたくなる衝動に駆られる。
『ゴールデンアックス』はドラムやシンセが骨太なファンタジー世界を
彩る役目を十二分に担っている。オープニングからエンディングまで
曲を聴くだけで一つの物語として完結しているように聴き取れるのは
楽曲の完成度が高いからに他ならない。
作業用のBGMとして既に23年も我が家では活躍してくれている
ヘビロテの一枚である。