オードリィ ヘップバーンがジバンシィの
ドレスを脱ぎ捨てた!こんなキャッチコピーがついた事でも有名な映画でした、というのも彼女はこれまでの出演作品で常にジパンシィ(ブランド名)の
ドレスを着用していたからです、(映画「尼僧物語」の尼僧服さえもジパンシィ氏のデザインといった具合に)作品の出来も良く、時間の経過と共に微妙に変化をしてゆく夫婦愛の姿がとてもよく描かれている作品だと思いました、当時はもう彼女にこうした若い役柄は無理があると言われたそうですが、まだまだとても可愛いですよ。
スタンリー・ドーネン監督が、過去のエピソードと現在とを巧みに交差させたロード・ムービー仕立てで、ある夫婦の危機と二人がそれを乗り越えていく様子をコミカルかつシリアスに描き出していく。
大金持ちのパトロンを得て次第にセレブになっていく夫、オンボロフォード、ポンコツMGからコンパーチブルのトライアンフ、そして
ベンツへと乗り替わる自動車によってもそれが表現されている。
(やはり男のステイタスは自動車、、、。)
それとともに「夫婦」の溝は広がり、ついに決定的なできごとが、、、。
二人の心は、もはや引き返せないほど離れてしまったかのよう、「マリイド・ピープル」、二人の会話が警句のように虚しく響く。
夫メルとの結婚生活が危機的な状況にあったオードリー、憂いの表情には当時の彼女の心の内が反映されていたのかも、、、。
役柄もあってのことなのだろうが、二人の服装のセンスの差は歴然。
オードリーの洗練はアルバートといかにも好対照、夫婦のすれ違いのさまがここでも巧みに表わされている。
表情豊かで機智に富んだオードリーの成熟した演技は、当時まだ新進だったアルバートを圧倒している。
彼もなかなかの熱演を見せてはいるが、、、。
無名時代のジャクリーン・ビセットも、端役出演している。
揺れ騒ぐ二人の心の内を表すかのように起伏が大きく流麗で切ないメロディーは数あるマンシーニ・ナンバーの中でもマスターピース、映画とも最高のマッチングを見せている。
オードリーに捧げられた曲「Something for Ordley」も聴きどころ。
オードリー主演映画の中でもベストムービー、いつ誰が観ても楽しめるといいたいところだが、このビターなテイストは「マリッジ・ピープル」として人生の半ばを過ぎた時さらに身に迫るのではないだろうか。