ついつい「ゼロゼロセブン」と言ってしまう世代(含むオレ)も、最初から「ダブルオーセブン」な世代も、共になかよく楽しめる。そんな“007シリーズ”の主題歌集が、新編集で登場した。マニアックな要素はほとんどなく、オリジナル・ブックレットも簡素なものだが(チャート・データの記載もなし。収録全作のオリジナル・ポスターをカラーで小さく掲載しているのが目立つぐらいだ)、中身は充実しまくっている。もう、鬼カッコいいとしか言いようのない第21作『カジノ・ロワイヤル』―この“You Know My Name”は、映画本編とほぼ同じミックス。シングルでは“Pop Mix”と呼ばれていたもので、クリス・コーネル自身のアルバム“Carry On”にもこのミックスで収録されている―までの全主題歌orテーマ音楽に、サッチモが歌う『女王陛下の007』の美しい挿入歌「愛はすべてを越えて」、k.d.ラングがシャーリー・バッシーばりに熱唱する『トゥモロー・ネバー・ダイ』のエンディング・テーマ「サレンダー」も添え、年代順に収録。CD1枚にびっしり詰まった“007:音の歴史”に、ただ圧倒されるばかり。おまけの1曲がなんだか微妙だとか、「
ロシアより愛をこめて」の1分06秒あたりでヘンな“声”がきこえるとか、そんなことは些末なことである(……たぶん)。
DVDつきの『
ベスト・オブ・ボンド(DVD付)』も一見魅力的なパッケージだが、コスト・パフォーマンスが低いため、あまりおすすめできない。また、このアルバムには輸入盤やダウンロード販売もあるが、日本独自の解説・対訳がなかなか充実しているので、個人的にはこの盤をご購入されることをおすすめする。
「トゥモロー・ネバー・ダイ」から007の音楽を担当してるデイヴィッド・アーノルドですが、彼自身が数十年来のボンドファンということで、かなり力はいってますね。「トゥモロー・ネバー・ダイ」では、ジョン・バリーを彷彿させつつ現代風にアレンジしたメロディーを聴かせ、「ワールド・イズ・ノット・イナフ」ではドラマチックな場面を演出するいい感じの音楽でした。
そして今回はというと、映画「ダイ・アナザー・デイ」のバリバリアクションに最高にマッチするノリノリのダイナミック・サウンド。もちろん、アーノルド得意のブラスもふんだんに使われてます。今までの007サントラの中で間違いなく最も激しいサントラでしょう。
PCで見れるオマケもGOOD!かなりおすすめです。
パッケージの表紙はかなり爺臭いで「おいおい!」と思いましたが、
スクリーンの中ではカッコよいブロスナンでした。
以前にレンタルで見ましたが改めてストーリーの壮大さや展開などコーヒーを入れ替える暇もなく
見入ってしまいました。
ヒューマンロン
ダリングやら敵が北朝鮮やら、敵ボンドガールの刀剣のアクションも見所が多くあります。
まずは普通に観る。解説でもそれは種明かしされているが、今までの007のオマージュの存在にいくつか気付くはず。今回は北朝鮮の捕虜になり拷問を受けている様子とともに始まり、その意外性と共に観る者は身を乗り出すことだろう。同時に話の展開に何時もより強い興味を持たされ、作者の意図にはまることになる。あとの展開は自分で見るべき。
その後、解説を聞きながら見直すと、これがまた楽しい。お勧めします。
今回過去20回で一度も登場しなかった007とマニペニーとのラブシーンは必見。ボンドガールのハルとのラブシーンよりも良い。「良い」の意味は自分で御覧あれ。思わず笑みがこぼれます。
北朝鮮、韓国、
香港、キューバ、
アイスランド、そしてアメリカ、イギリス。娯楽映画に絡ませるには工夫が必要と思われる国がリ
アリティーを持ちながら登場してくるあたり、脚本家の手腕に脱帽。