メドフライと呼ばれる害虫駆除のため
ハリウッドと思しき市街地に農薬が散布されるシーンからこの映画ははじまる。かといって、その後の展開がパニックムービーになるはずもなく、村上春樹が敬愛するレイモンド・カーヴァーの短編集の雰囲気そのままに、気の抜けたビールのような味気ないエピソードが長々と190分間語られる群像劇だ。
10組の夫婦が繰り広げるショートカット・ストーリーはこれといったオチもなく、それぞれのかかわり方も限りなく希薄だ。仲の悪かった夫婦がふとしたきっかけで元のサヤにおさまるかと思えば、一方でその真逆をいく夫婦も登場する。何かあるかわからない人生をそのまま受け入れよというメッセージのような気もするのだが、その登場人物たちに向けられるアルトマンの目はあくまでも批判的だ。
ハリウッドに対する対決姿勢を崩そうとしなかったアルトマンが、農薬や突然おきた大地震によって本当に駆除したかったものは、人生これといった目的もなくただフラフラと生きている中身のない人間たちだったのかもしれない。
ここまでハマったアーティストは、彼ら以外にはいません!
まず
メジャーデビューからBLUE BE-BOPまでのPV、そのメイキング映像、CMから、オフショット、ライブ映像まで、
「この値段でこの内容!?」
というくらいお得なDVDになっております。
こんなに売れっ子になっちゃってんのに、全然気負わず自然体のRIPが見れると思います。
RIPのオフィシャル本「RIP STYLE」の写真と見比べながらDVD鑑賞をするのも楽しいです。
久々にレイ・カーヴァーの村上春樹訳を読み返していたら、無性に本作をもう一度観てみたくなった。
随分前に一度観たきりで、断片的な記憶しかないが、20人以上いる登場人物の中で
恐らく端役の部類だったと思われる自殺を図る
チェロ奏者の女が妙に印象に残っている。
本作を監督したアルトマン氏も先月亡くなったということだ。
この機会に是非DVD化を希望。