写真は確かに絶景ばかりであり、あまり目にすることのない景色が神々しくも感じ、見応えがあり満喫します。
タイトルには”世界”とありますが、北米と南米であり、世界を網羅したものではありません。
そうであっても、写真を見る限り、眼下の壮大な景色に魅了され、一生に一度は行ってみたいと思うところばかりが厳選されています。
著者として、夫婦二人の名前が書かれていますが、共著とは言い難く、だんなの方が一方的に書いているものであり、誤解を招くと思います。
それで、興ざめなのは、そのヨメさんの方が、こんなにも抜群な景色を見ても、その感想には大した感動を呼ぶものはなく、だんなのほうが一方的に感動し、はしゃいでいるばかりに写っています。
それと、だんなさんにとってはヨメさんは”お姫さま”であり、一緒に行動しつつも、片方からの舞い上がった声と冷めた返事しか聞こえて来ないところがせっかくの絶景旅行を台無しにしてしまっているように思います。
また、絶景の地を見るためのトラぶったプロセスを旅のおもしろネタのエピソードとして詳述していますが、言うなれば、それらは大しておもしろみのない内容であり、それがどうしたとツッコミたくなります。
それよりも、メインの絶景に対する感動をもっとアピールし、そのきもちを臨場感たっぷりと読者に伝えてほしかったと思います。
もし夫婦がメモリアルするために、ヨメさんの写真を掲載し、読者を度外視した身勝手なプライベート記念として出版したのなら、残念に思います。
本誌は、「地球の歩き方」の発行元のダイヤモンド社が、年1回ペースで発行している旅行雑誌。
今年の年末年始は例年にない長さなので、かきいれ時とばかりに通常は単行本コーナーを旅行ガイドブック&雑誌で埋め尽くした某大手書店で見つけて、とりあえず買ってみた次第。
そう、
タイトルの通り、1千円でお釣りで缶コーヒーが買える価格が一番の売りと思います。
内容的には、雑多な盛り合わせというのが特色。個々の掘り下げは、月刊誌や隔月誌の特集より見劣りするし、ベスト●的な記事のランキングも無理してる感が一部には見られる。正直、海外マニアには物足りないでしょう。
しかし、880円の雑誌ですから、年末年始に自宅なり実家でゴロゴロしながら、いつか行く旅の誘いを探すにはお手頃な内容と思います。
あと、「今こんな旅がしてみたい」的な企画にありがちな押し付け感が強くないのもいいです。下手糞なライターのお勧めほどウザイものはありませんから。