1959年2月3日に起きた、ロックン・ロール界の最大の悲劇として知られる飛行機事故で、バディ・ホリー、そして
ビッグ・ボッパーと共に亡くなってしまったリッチー・ヴァレンスが残した、唯一のオリジナル・アルバム。
日本において、オリジナルの形でリイシューされるのは、おそらく初めてのことだと思います。
リッチー・ヴァレンスは、チカーノ(
メキシコ系アメリカ人)ですが、「ラ・バンバ」(
メキシコのトラディショナル・ソング)の
ロックン・ロール・ヴァージョンをヒット(最高22位)させたのは、まさに面目躍如といったところだったでしょう。
アップ・テンポのロックン・ロール、「カモン・レッツ・ゴー」(最高42位)や、「ザッツ・マイ・リトル・スージー」(最高55位)、
そして「ウー・マイ・ヘッド」などの作品群も最高ですが、彼は実は
バラードの作品にも優れたものが多くあり、この柔と剛を合わせ
持っていたことが、彼の魅力の一つだったように思えます。
大ヒットした「ドナ」(最高位2位)はその
バラードの中でも、頂点たる作品ですし、「イン・ア・ターキッシュ・タウン」も素晴らしい。
ニュー・ヨークのR&Bデュオ、ロバート&ジョニーのヒット曲のカヴァー、「ウィ・ビロング・トゥゲザー」もかなりの出来です。
2013年リマスターで、音も良く好内容ですので、ロックン・ロール・ファンには是非お勧めしたいアルバムです。