佐竹義宣の漫画と聞いたので購入しました。内容は聞いていたのと違い渋江政光と疋田景忠を主人公とした漫画が二本でしたが、これは凄い。 信長の野望シリーズでも殆ど登場しない両名を主人公とした所にまず感服。綿密な下調べが感じられる実話ベースのストーリー展開に感動。和田昭為や小貫頼久等のちょっと顔出し程度のキャラクターもイメージ通りで戦国時代好きとして大変満足のゆく一冊でした。 梶原政景が格好良く描かれており、きちんと太田桔梗の染め抜かれた着物を着ていたのも岩槻太田家好きの私としては嬉しい限り。 隠居後も義重の発言力は絶大であった事や、義宣の側近としては岡本宣綱が居るはず(顕逸は既に死亡していると思います。)である所等、気になる点も多々有ったのは事実ですがそんな細かい文句は言えません。秋田佐竹家の地盤固めを描く以上、隠居した義重や後に出家する宣綱をあえて描く必要も無い気もしますし。 剣の舞の方は疋田景忠と或る少女との仇討ちの物語で、実話ベースかどうかは定かではありませんがこちらも良い話でした。 二本ともハッピーエンドとは程遠いですが読後に気持ち悪さを感じる事も無く、氏の漫画の描き方の秀逸さを感じました。 私は恥ずかしながら岩明均氏の漫画は此の本以外は未読なのですが凄い漫画家さんであろう事は容易に推測出来ます。今度他の本も手にとってみたくなりました。
恋人の表情の移り変わりとかいいな、と思いました。そのまま映画の絵コンテに使えるのではないか、なんて思ってしまうのですが。
主人公のラストの台詞が忘れがたい。 あと兵器の無情さですね…大量殺人に特化された道具=兵器に情なんてあるはずないのだけれど、それでも総毛立つ。
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