重厚なサウンドに効果的なハーモニー、そしてより円熟味の
増した演奏力。
その完成度の高さからパワーポップバンドが一つの到達点を
極めた作品、そんな印象を受けます。
流石にこれぐらい長くやってるとマンネリに陥り、”お化粧”で
なんとか体裁を繕おうとするもんですが、彼らは真摯に楽曲と
向き合って上質のアルバムに
仕上げてくれてます。
各楽曲とも非常に練られた構成になっており、年輪を重ねて
大人になったSloanを実感できる、そんな作品です。
本書は現代戦略研究の第一人者であるコリン・グレイと、ジェフリー・スローンという2人のイギリス古典地政学者によって編纂された、他に類書を見ない戦略学系の地政学研究の論文集である。訳者は言わずと知れた日本の諸葛亮孔明、奥山真司氏。若手の研究者からその分野の大御所まで、英米の研究者を中心とした多彩な顔ぶれになっている。その構成は、
・なぜ地政学なのか
・ハルフォード・マッキンダー卿 ハートランド理論の流れ
・地政学者アルフレッド・セイヤー・マハン
・エアパワー、スペースパワー、地理
・宇宙時代の地政戦略 アストロポリティクスによる分析
・批判地政学の理解のために 地政学とリスク社会
・地政学 戦いの場としての国境
・インフォメーションパワー 戦略、地政学と第五次元
の、8本の論文を訳出した構成になっている。コレを見ただけで解ることだが、古典地政学の父、マッキンダーと海洋戦略(シー・パワー)の大家、マハンの詳細な研究論文が収められていること、さらにはエア・パワー、スペース・パワー、インフォメーション・パワーと昨今の地政学的話題を一挙に網羅されていることは特筆されるべきことだろう。本書の結論としてはインフォメーションパワーを著したデヴィッド・J・ロンズデールの論文中から、「21世紀の戦略および地政学的な環境は、たった一つの戦略の次元やパワーの形によって決定されるものではない」という言葉が的を得ているだろう。原書自体は2部構成で合計13本の論文が収められているということで、残りの5本が「胎動する地政学」へと続く内容になっている。マッキンダーの「地理学から見た歴史の回転軸」など、基本的な地政学的知識がないとなかなか面白みが伝わらないだろうが、体系的な地政学に関する文献が不足している日本にあって、極めて貴重な文献が訳出されたといえる。本来、このような書籍がAmazonレビューでも賞賛されるべきなのだが…
NYを舞台に,見ず知らずの二人の男の運命が交錯するストーリー。
ある朝,若き
弁護士は審理のため証拠書類を持ち裁判所へ,アルコール依存症を克服した父親は家族とやり直そうと調停の場へ急ぐ。二人の車が接触し,立ち往生。急ぐ
弁護士は事故手続きもそこそこに書類を忘れて現場を立ち去る。この事故のため,
弁護士は書類を提出できずに審理がストップ,父親は話し合いの場に遅刻し家族離散の危機。たった20分の出来事で,二人の男の運命は別の方向へ転がり出す。
主人公二人の心理をうまくつかんでいて,緊迫感もある。二人が自分と自分の信念を取り戻す過程が鮮やかにそしてじっくりと描かれる。佳作だ。
400ページを超える文章量は「みんなの」という
タイトルほど初心者向けではないが、
原書のターゲットと思われる大学教養レベルなど、好奇心に満ちた層にはいいだろう。
日本では性進化は竹内久美子氏の功績で広まったと思うが、進化論が単なる生物学を超えて、
芸術や宗教、文化といった幅広い人間社会の活動を説明しうる可能性を持っていることは、
まだまだ知られていないように思うので、文庫のような軽い読み物と専門書の中間的なもの
として、本書が果たす役割はあるだろう。