一作目の後づけの作品ですが、若干の矛盾はあるものの、それさえも無視してしまえるような、おもしろさです。二作目は一作目を超えられない、とよく言いますが、少なくとも同列ではないかと思います。
登場人物それぞれが、自分の理想や誇り、愛する人、そういったもののために選択した行動によって自分にとって大切な何かを失っていく。それぞれが何かを背負って
香港返還という時代の過渡期を迎え、そしてこれからの十年を生きるのだということを描いた、一人一人の物語だと感じました。
三部作の2作目としてはもちろん、これ一作でも十分楽しめます。が、一作目で登場する音楽や癖、動きなどが二作目に随所に織り込まれている、という「お楽しみ」がある分、やはり一作目を見てからの方が『無間序曲』は面白いかもしれません。というよりも、ぜひ二作、三作セットで見たい作品です。
エディソン・チャンとショーン・ユーの荒削りな演技を、フランシス・ンをはじめとした堅実なキャストがしっかり締めた映画でした。
すばらしい作品でした。正義のためとしてマフィアに潜入した警察官と、犯罪組織に忠誠を誓い警察に潜入したマフィアの対比が映えていました。心の内は善人でいたいとする二人がそれぞれの立場で生きていくとどうなるのかが見られます。単に極道ものでもなく、単なるアクションでもなく、「自らがどうあろうとするか」が語られるサスペンスであり人間ドラマです。字幕も吹き替えもどちらも見ましたが、吹き替えも違和感なく見られます。
おもしろい。