90年発表。ルネッサンスのヴォーカリストであるアニー・ハズラムの久々のソロ作。
タイトル曲はマイク・オールドフィールドのあまりにも有名な曲だが、誰しもの想像の通り見事にハマった抜群の出来である。2.ではムーディー・ブルースのジャスティン・ヘイワードが楽曲を提供し、アコギとデュエットによるヴォーカルを披露している。アルバム制作の決め手になったニール・ロックウッドの4.も名曲だ。
プロデュースはプログレ系の仕事も多く、シナジーの名前で優れたシンセサイザーのアルバムを発表しているラリー・ファーストであり、彼の手によるものであろうシンセを中心としたオケでほぼ完結されている。しかしながら彼はこの手のサウンドとしては天上レベルの人。本作はいわゆる打ち込み音楽ではないクラシカルかつ生々しいサウンドを構築しており、実のところルネッサンスと何ら違和感はない。デジタル・シンセを多用しつつ、ヨーロッパ的な美意識を感じさせるサウンドは彼の感性の鋭さの賜物だろう。彼は6.でアニーと共作もしているが、その美意識は楽曲そのものからも十分に伺えると思う。ニュー・エイジ色の薄い、非常にロック的なサウンドでまとめられているのもポイントが高い。何にしても80年代サウンドの帰結とも言えるサウンドは一聴以上の価値はある。末期ルネッサンスのラファエル・ラッド(Harp、k)、デヴィッド・ローズ(vln)、メル・コリンズ(sax) 、ジョー・フランコ(dr、per) らも参加している。
アニーのソロアルバムは全く駄作なしなので安心して聞きますよ。この作品ではムーディーズのジャスティン・ヘイワードがギター&バッキング・ボーカルで参加しているのが嬉しい限り~彼女の歌声に癒され続けて40年以上になります。
極端に映像が少ないアニーの貴重なライブです。“Pool of Tears”や“What He Seeks”など個人的に大好きな“Blessing in Disquse”からの選曲がとても嬉しいです。オープニングの“Carpet of the Sun”から一気に引き込まれます。ぜひご覧あれ!