フレンチポップスに興味を持つうちに、自然とセルジュ・ゲンスブール、
フランス・ギャルの2人を知るようになりました。
セルジュが提供した8曲がこのアルバムに収録されていますが、全世界ブレイクのきっかけとなった#1、「裏の意味」がかなり物議を醸した#4、いずれも彼の作品。
ギャルの歌唱テクニックは、同時期に世に出たシルヴィ・ヴァルタンと比べれば確かに力不足ですが、逆にいえばその「物足りなさ」が感性を刺激するところがあるのかもしれません。
もう40年ほど前の作品ばかりですが、フレンチポップスの始祖を知ることができる1枚と考えています。
デビュー’63〜’67までの作品を集めたアルバム。アイドル時代のヒット曲集。そのうちの多くは
S・GAINSBOURG。アイドル的な一本調子で歌ってはいるが、この声は一度聞くと忘れられない。
よくよく聴けば秀逸なおもしろい曲ばかりで、内容も意味深長。
JAZZ A GOGO や LE COEUR QUI JAZZE、
ジャズってるこの二曲はなかなか
かわいい。上手。
しかし
フランスにはこのてのかわいこちゃん、時を超えて引きも切らず現れるものである。需要があるのだろう。
先のレヴュアの方も書かれている様にPhilips時代最後の
Gold Music Story: 1968まで収められていたら同時代のアルバムに関してはコンプリートできるので
入門者にも取っ付きやすいBOXセットになったであろうことを思うと少々残念です。
が、お手頃な価格で1stから4thまでが揃えられると思えばお買い得だとは思います。
2001年にリリースされた、Philips時代のアルバム、シングル、EP楽曲まで網羅されている(らしい)
3枚組のコンプリートBOXが入手困難となっている今となってはこれでも充分ありがたいBOXセットです。
今まで私は国内編集の2枚組ベスト
フランス・ギャル全集~夢見るシャンソン人形しか持っていませんでしたが
やはりオリジナルアルバムはベスト盤だけでは知りえない魅力を発見できます。
音源に関しては1stから3rdまでがMono収録、4thがStereo収録となっています。
これにより上記ベスト盤では多くの曲が擬似Stereoヴァージョン収録だったのだと気が付きました。
聴き馴染んだ、それなりに広がりのある音像との違いに最初は違和感を覚えましたが、
録音自体がMonoであったであろう初期の楽曲はMonoの方が音の輪郭がはっきりして自然に聴こえます。
また、幾度も走らせたであろう国内盤用のマスターテープより劣化が少ないためか
上記国内盤ベストで気になったヨレやノイズも殆ど感じず音質は良好に思えます。
先述のPhilips時代のコンプリートBOXが再発or同様な企画のBOXセットが発売されるまでは
これから60年代のFrance Gallを聴いてみようと思っている方にとって有用なBOXセットだと思います。
私は紙ジャケにこだわりはありませんが、廉価なBOXセットとしてはまあまあな造りだと思いました。