メル・ブルックスのコメディを評して、ちょっとしつこいというか、あか抜けしないところがある、という指摘もあって、ある程度あたっているとおもう。でも、イヤミがなくいつもたのしい。お説教くさくもないし、イズムや善意の押し売りもない。おかげでとてもとてもハッピーな気分をとりもどすことができる。
この映画は
ヒッチコックの名画から、いろいろな場面を借りているが、ストーリーは別のものだ。ホテルのバーで、メル・ブルックスがマデリン・カーンを前に歌を披露する場面はとくによかった。人生はかくありたいものと。
よくない点もあった。病院を乗っ取ろうとするクロリス・リーチマンとハービー・コーマンのふたりである。おかしくないし、見た目もいまひとつ。他の作品でもぱっとしない。