初代ゲッターやこの後の真やアークに比べると、ギャグっぽい展開も多く、ずいぶんと雰囲気が柔らかく読みやすい。
といっても一般人は相変わらずよく犠牲になるが・・・。
ストーリーの展開の仕方は時代を感じさせられて、OVAから入った自分のような人間からすると戸惑いはある。
ビルの中を正確に飛ぶドラゴン号を見て、ビルがデカいのかドラゴン号が小さくなってるのかとか疑問を感じたり、真ドラゴンのデザインの元ネタがここにあったかーと発見に喜びを感じつつも、アトランティスのくだりいらなくない?とか思ってしまったり。
まあロボットものに対していちいち細かいことを気にしてはいけないのだろう。
そもそも
ゲッターロボの発想自体が奇抜なのだから。
物語はいったんGで区切りを迎えるが、これからが
ゲッターロボの本番だ。
ぜひとも真以降も読んでいただきたい。
まさかドラゴンがあんなことになるとはねえ・・・。
ダイナミックさに欠ける
ゲッターロボそれが本作に対する印象。
評価は
グレートマジンガーより低い。
理由はいろいろあると思いますが、
ゲッターロボの持ち味がうまくいかされていないのが一番です。
シャインスパークは迫力のある必殺技だと感じました。
けど、これが本当に素晴らしいと感じたのは22話のポセイドンによるネットの引き上げからのシャインスパークと最終話のライガーでかく乱させたあと敵が合体してその隙にシャインスパークを当てるという2つくらいでした。
他にも強力な盾を持ったメカ百鬼に放ったあと移動することで盾をずらして倒すというお話がありましたが、ようはシャインスパークを使用するまでのストーリー構成が不味かったわけですね。
シャインスパークというのはTV版の
ゲッターロボサーガの中では最強の威力を誇る必殺技で、3人同時にペダルを踏まなければ発動しないため、敵の百鬼帝国もシャインスパークの原理を知って、3人の絆をぶち壊すか、エネルギーを吸収するか反射するかの装置を駆使する、あるいは物量作戦を挑むかして苦しめさせるべきでした。
そうすることで他の戦術を駆使せざるを得なくなってしまいライガーやポセイドンに切り替えて百鬼帝国のシャインスパークに対する戦術を壊すか弱点を作って、ドラゴンにチェンジしてシャインスパークでトドメを刺す。
こんな感じにしてくれた方が印象に残りますし、前半詰まらなくとも後半で巻き返してさえいれば星5つの評価を与えることが出来ました。
とここまで語ってしまいましたが、なぜこうなってしまったのかというとやはり百鬼帝国とのドラマを重視しすぎてしまったからだと思います。
そう言ったドラマ重視の話が1つか2つくらいあってもいいと思いますが、アクションを殺してまでドラマを重視するのはどうかと思います。
せっかく
ゲッターロボGという前作の頂点に君臨できるほどの娯楽性を持った作品の続編なんだから、ドラゴンと百鬼メカの決闘や政治ドラマじゃなくて、絶体絶命に追い詰められた状況から3人のチームワーク及び個性を使いこなして攻略するお話が見たい。
本作でいう24話のようなドラゴンのスピンカッターで触手を切り落として、ライガーのチェーンアタックで
トマホークぶん投げて触手を全部切り落として、ポセイドンのサイクロンでトドメを刺すみたいな。
現体験を持っていない私が言うのはあれですが、子供にとっては退屈だったんじゃないかな?
まあ「こんな取合せもありか」と気楽に読めば十分に面白いです。
永井豪のようなマエストロからも時間は残酷にその才能を奪っていくのだ
ということを「激マン」や「改訂版
デビルマン」ともども読みながら
実感させてくれる作品である。