20年も前の漫画の復刻版、というのでしょうか。
私はこの改版で初めて読みました。
面白い。 胸を突かれる。 涙が流れる。
噺家、という当時の芸人達の人生が、軽い
タッチで書かれています。
芸人の人生だから面白いのか。
きっと、そうではないのです。
芸人達が置かれた状況は、どれかは必ず経験しているはず。
破天荒な生き様も、貧乏一代も、自分を出せずに思い悩む人生もある。
齢70にしてこの道に踏み入れ、88にして花開く人生もある。
志半ばにこの道を諦め、別の道で花開く事もある。
才能があるがゆえに、他者を傷つけて償いに捧げる人生もある。
才能に溺れ、ダメになりかけた若者を、かつて同じようにして堕ちた先輩が
命がけで救う話もある。
登場人物達の、芸の道へのひたむきさと、それを応援する周囲の人々の大きな愛が
読むものの胸を締め付ける。
人生に、何がしか哲学めいたものを感じ始めたら、必ず読んで損はない。
★を10点けたい本です。