今更ですが規約に則り、「ラストシーンのネタバレです」と書いておきます。
子供のころにTVで観てから、吹き替え版も字幕版も何度観たか分かりません。
エイリアンシリーズの最高傑作だと思います。
初見から10数年経った今では、流石にエイリアンへの恐怖感や出てくる直前のハラハラ感は大分薄れましたが、
リプリーやビショップのカッコよさは昔より増して見えます。
生存者の女の子が巨大エイリアン「クィーン」に見つかり絶体絶命のピンチ!という時、
重厚なシャッターが開き、そこに現れるはゴツイ作業用ロボットに乗ったリプリー。
巨大な「クィーン」に対し真正面からドズン、ドズンと威風堂々歩み寄り、
「Get away from her you BITCH!!」(吹き替え:その子から離れなさい化け物!!)
と宣戦布告するシーンは何度見てもしびれます。
卑語である「bitch」がこんなにカッコよく響いた瞬間があるでしょうか。
(でもいい子は真似しないでね)
一作目ではクライマックスでエイリアンを倒すとき、かなり怯えていて、
恐怖を誤魔化すために震える声で小さく歌を歌いながら、そうっと動いて罠を張って倒していたのが、
今作ではその恐怖を抱えながらも「娘」を守る「母親」としての怒気と気迫全開で、
ロボットアームをダイナミックに振って巨大エイリアンを横薙ぎにブン殴って吹っ飛ばすんです。
そして起き上がるクィーンに対し、自分に注意を引き付け続ける為にアームを振り上げ更に闘志剥き出しの挑発。
残念ながらこの「カモォァアン!!カマァアン!!」と叫ぶ挑発シーン、
吹き替えでは焦りと必死さを重視したようで迫力は全く感じられません。
「
英語音声・日本語字幕」に設定して、直に聞いてその気迫を感じて頂きたいシーンです。
また、極めて人間に近いアンド
ロイド・ビショップがまた違うカッコよさを見せてくれます。
脱出用の宇宙船を操作しに行くのに、危険な通路を誰が行くかで揉め始めた時、
自ら「私が行く」と冷静な声で単身危険な任務を請け負うビショップ。
クィーンを宇宙に放り出す為、ハッチを開けた際にその女の子が宇宙空間に飛ばされそうになるのを、
クィーンに引き裂かれて上半身だけになってるのにしっかり捕まえて守るビショップ。
体中白い血液まみれで、内部機構が無残に千切れまくっているのに。
そしてリプリーがクィーンをなんとか宇宙に放り出した後のセリフ、
「人間にしては 上出来だ」(Not bad for a, human.)
これまたイイです。
その直後、いつもクールな彼が白い血液まみれの顔で、リプリーにニヤリと笑みを返すのが更になんとも粋です。
昔聞いた「人間にしちゃぁ・・・やるね。」じゃなかった事だけが少し残念ですが。
今見ても古さを感じない名作ですが、なにぶん1986年の作品なので、
最近の10代の人達などの中には観たことがない人も多いかと思います。
未視聴の方は是非!・・・ネタバレしまくっちゃいましたが。
また、「昔観たな、面白かったな・・・」と思っている方も是非!
今観るとまた違うかと思いますので。