中学時代に観た映画、邦題「いつも心に太陽を」です。シドニー・ポワチエ主演。熱血新任教師と生徒の心あたたまる交流を描いた名作です。卒業式のダンスパーティーでルルが歌う「To Sir,with Love」が忘れられず購入しました。字幕無し、もちろん、日本語無しの輸入版ですがお気に入りの映画です。
8つの作品が収録された短篇集です。後に長篇小説となる「弟よ!」(角川文庫。以下同)や「青春かけおち篇」のベースになったものも収録されていました。もしかしたら「ヒモのはなし」も後に「ストリッパー物語」としてバージョンアップされたのかも知れません。初期の作品集ということで、後年見られるような爆発力のある不条理性には若干欠けているきらいがありました。つかこうへいの小説は会話でどんどん押していく印象があるのですが、本作では地の文の方が多かったような印象を受けます。つかこうへいの世界を開拓し始めたばかりなので、他にも短篇集があるのか、はたまた最初で最後の短篇集なのかは、後日の
調査報告をお待ちください。
1960年代の
ロンドンの中等学校を舞台に、真面目なアフリカ系アメリカ人
の男性教師と1クラスの生徒達との愛すべき葛藤を描く名作。
こんな映画が上映されていた時は、「貧しいことから生まれる無知の悪態」
で心が荒くれていた青少年を真剣に向かい合うことで結束されていくことも
理想とされた。担任を任されたクラスは全員が集中力に欠け授業もままならず、
終いに教師は抑えていた気持ちを爆発させある事を試しみた。
これが思いのほか効果をあげて、いつのまにか生徒との間に必要不可欠の
絆が生まれる。この映画のシドニー・ポワチエの表情少なめな演技が功をなし、
モッズの匂いが強い若者の喜怒哀楽と相成って非常に見ていてまとまりがよい。
今更逆行して作品をみるとなんてことは無いかもしれないが、大人だけでなく、
子供たちも映画を見て一度自分の足つかずな虚勢を見直しては?
ドイツの詩人ツェーザル・フライシュレンの詩「心に太陽を持て」から始まるこの本は元々、昭和10年、「日本少国民文庫」全16巻の中の第12巻として配本されたものである。世界中の心を打つ話が掲載されている。戦後になって、10編余の話を戦前の版に加えた上、昭和56年にそこから21編の話が掲載され、
新潮文庫から発行されている。
軽妙な話もあるが、勇気づけられる読み応えのある話が多く、ぜひ多くの方に読んでいただきたい1冊である。特に戦後加えられた話である「リンゴの並木」は素晴らしく、大火という絶望の底から精神的な復興まで成し遂げた実話であり、深い感動を覚える。本当にあった話であることが信じがたいほどだ。世界に誇れる我が国の話として多くの方にぜひ読んでほしい1編である。