デビュー当時から清原さんの漫画を読んでいるので、懐かしくて買ってみました。リボン・マスコット・コミックス(当時は傑作選なので、RMCで刊行されなかった作品があるのかな)は持っているので、あえて買い足す必要は無いのですが。作品を読めば、名古屋近辺の出身で金沢大学を卒業された方だと言うことはすぐにわかりますね。本書に描かれている場所を見に、金大大学院に進学した知人と、いろいろ見て回りました。「おおっっー、これがみやもり坂かぁっ。」と、今でも情景を思い出します。巻末の描き下しは、ちょっとがっかり。以前にも、同じことを描いてませんでしたっけ。
摩訶不思議な妄想とエロスが絡み合って、 クスクス笑え、少ししんみりし、ええっと驚き、 あれまあと呆れ果てながらも最後まで気になって仕方がない展開。
全くハッピーエンドというわけでもなく、 それぞれに問題を残しながらも、 人生これでやっていくしかないんだよねという達観と少しばかりの齷齪・ 悪戦苦闘が描かれる。
すっきりした絵柄と明るさと滑稽さに彩られたストーリー展開に 助けられているとは言え、全体的にはほろ苦い。 家庭、単身赴任の別居結婚、子育ての現実がそう読み込ませてしまうのか。
SFファンタジー、ファミリードラマの相まった秀逸の一冊。
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