本書は、魚編(第1章、第2章計約100ページ)、肉編(第3章約60ページ)、野菜編(第4章約20ページ)、米編(第5章約20ページ)から成っている。
分量からみてわかるように、魚の表示名に関する記述が最も多いが、ほかにも、養殖に使う抗生物質の害や、残留農薬・
防腐剤・薫蒸毒薬・食品添加物・放射線・遺伝子組み換えの問題や、米のブレンドの問題などなど、「食」に関する闇の部分を「これでもか」という感じで書き綴っている。
私は、読み進めるうちに気分が悪くなってきて、しばらくは食事がまずくなりました。あまり感じのよい本ではありません。
確かに、著者が書いていることは一面の真実かと思います(たぶん)。なので「できるだけ素性のわかった良い食品を食べなければ」と思うようになるという面では「良書」です。
しかし、あまりにも何もかも悪いと書いてあって、(a)「じゃあ何を食べればいいの?」と思うが、その答えがない、(b)取材源があやふやでどこまで正確か、また、どこまで普遍的な事実か不明、(c)「■■を食べて奇形の豚や魚が生まれた」のような本来科学的検証が必要な事柄が憶測で書かれている、(d)行政等の関係機関や消費者がどう対処すれば現状を改善できるかの処方箋も全くと言って示されていない、という本です。
二流週刊誌の特集記事の寄せ集めのような本なので、評価するか・しないかは、人によってさまざまと思います。
私はあまり評価しません。