もし両親が子供の心の中に「情熱」を残してあげることができたら、それは貴重な財産になるに違いない。この格言で始まる本。発想の原点は、「なぜ」これを子供のときから母親から指導された。ブレーンストーミングで困難な問題の解を求める方法があるが、
エジソンはそれを自分ひとりでやっていたように思う。
エジソンは、電球事業以外に、発電機、強化セメント、ベニヤ板、ゴムの絶縁体、ハイウエイなどの事業を起こした。すべて電球の事業を広げるために起こした事業。当時の家庭には電力がなかったので良い電球を作っても売れなかった。そのため、家庭に電力を供給するため、ダムを作り、そのためのダム、セメント、余ったセメントでハイウェイ等、いろんな事業を起こした。著者も米国の大学での勉強で、徹底的な対話方式を習った。それを経て、知的興奮状況になる。
エジソンは新しい事業や研究に取り組むとき、関連商品の歴史を徹底的に調べる。そのため、彼の蔵書は2万冊、
ギリシャの歴史から始まる。多くの人が目標達成せずにあきらめるのは、十分考えないからだ。皆と反対のことをやれ電球の発明では、皆、電流を上げることで製品化を図ったが、
エジソンは電流を下げて抵抗をあげる方法を取った。皆と反対のことをやって解にたどり着いた。ひらめきはだれにでもおとづれ感性は磨けば磨くほど輝きを増す。感性が強く反応するとき、感動が生まれる。感動が継続すると情熱になる。情熱を持った人間はエネルギーにあふれる。哲学の語源のフィロソフィは、フィロ=愛すること、ソフィア=知識、すなわち、知識を愛することという語源。
第二話くらいまでは、物語(設定)の説明部分が多かったりして、全体的にスッキリしなかったが、第三話あたりから、次第に面白くなっていく。
特に第四話では、「平等」や「基本的人権」等、わかっているようであやふやな概念に鋭く切り込んだり、結構考えさせられた。鉛筆工場の社会科見学の話は、観ていて胸が温かくなった。
工場の若手社員の「好きな人がいて、良い上司がいて、好きな仕事があれば、そんなにお金持でなくても幸福」という言葉は、単純なようで真理を突いていると思う。
精神分析学のフロイトは、健康な人格を突き詰めると「愛することと働くこと」と述べているが、その言葉を思い出した。これに加えて、良い人間関係の中にあることが、このドラマにおける「幸福」なのだろう。(もちろん、お金は必要だし、たくさんあった方が良いが、上記のような条件がなければ幸福にはならないのだろう)
このドラマの面白さは、登場人物の設定と俳優の好演にもあると思う。美人ではあるが、「面白くない女」と言われ、結構痛い思いもする規子先生(伊藤美咲)。美青年だが、どこかユニークな美浦准教授(
谷原章介)、そして賢人の母・あおい(坂井真紀)。この三人の微妙な関わり具合が楽しい。モロ師岡の焼き芋屋さんも出番は少しだが妙に存在感がある。
そして杉田かおるの怪演。デフォルメされた役ではあるが、キャラクターのハマり具合は最高だ。モンスターペアレント的な役だが、コミカルさもあって、どこか憎めない。ラスト、賢人を見張りながらも、認めたような微妙な笑顔が印象的だった。
子供のウェイトが大きいドラマだが、単に子供のドラマというより、子供を通じて社会の問題、教育の問題など、結構考えさせる、良いドラマだと思う。中盤からとても良くなっただけに、あと数回観て楽しみたかったと思う。