同居していた妻の母親(故人)や姪が重度の統合失調症なので、人並み以上には統合失調症に詳しいつもりでいましたが、妻が統合失調症と診断されたのを機に、改めて統合失調症をよく知ろうと本書を購入しました。
買って本当によかったです。
筆者の絵は非常にゆるい筆致で描かれており、また筆者のご自身とお母様の体験も織り交ぜられ、ともすると深刻になりそうな内容でありながら、とても読みやすく、また分かりやすい。
また統合失調症自体や治療への理解が深まるだけでなく、関連法規や行政サービス、自助グループにも言及されているのがいいですね。家族だけで頑張らなくてもいんだということが、とてもよく分かりました。
妻が統合失調症だということが分からぬまま、いつしか自分が鬱傾向を強め、二年前から抗鬱剤を処方していただいていますが(その治療の過程で、主治医から妻の治療を強く勧められました)、そういった家族の負担も筆者の実体験から客観的に眺めることができました。
とは言え、本書をそのまま妻にも読ませようとは、今のところ考えていません。
病気への理解と自覚が進む以上に、当人が私に多大な負担をかけているのではないかと、過大に自分を責めることを危惧するからです。
そういった配慮の元で、ぜひ統合失調症のご家族を抱える方には一読していただきたい一書であると思います。
楽曲が良くて、歌が良くて、それがあたりまえ!なDCTが、それをしかも質の高い音と映像で、たっぷり魅せてくれる。その上、聴いても良し、見ても良しにプラスして、内容を本人達が解説してくれる「コメントモード」と、カラオケのように画面下に歌詞が現れる「歌詞表示モード」までついている。もうこれは、何度見ても聴いても「飽きない!」他では見られない
ボーナス映像付きとくれば、もうダメ押し。ファンで無くても持つっきゃないでしょ~。(私はもちろんファンだけど☆)
中村よおさんは
神戸在住のミュージシャン・文筆家です。
ラジオのパーソナリティもされていて、関西地方で日曜日深夜、
というより月曜日の未明に番組を持っておられます。
このアルバムですが、まさしく、
神戸・阪神間の雰囲気がよく出ています。
カレッジフォークほどカッコつけない、
でも四畳半フォークほど生活臭にまみれていない、
ほどよくお洒落、でも言いたいところはきちんと言う、
都会の、というより
神戸や阪神間の洗練された感覚、
そして、ニヒルだが、ともすると虚無感の底に
落ち込んでしまいそうになる「何か」をだきしめて、
抱え上げ、いとおしむかのような楽曲…
とても親近感が感じられました。
製作は1988年ですが、曲の中には
1995.1.17(阪神淡路大震災)や
2011.3.11(東日本大震災)を想起させる歌詞もあります。
「僕の中で燃え残った街が燻って(くすぶって)いる
さようなら昨日までのロマンチスト(『場面』)」
「焼け落ちた家があった
傷ついた心があった
崩れ去る夢の中でも
美しく 美しく 美しくなれたら(『崩れ去る夢の中でも』)」
そして、最後に収録されている『夜を束ねて』の
このレビューの
タイトルにした、「嘘になってしまうような…」の
歌詞に何かホッとさせられる自分がいたりします。
個人的にはこの曲が一番好きです。
「あの長い時間を忘れてしまった訳じゃない
でもそれにこだわり過ぎていたら
何も見えなくなってしまう(『夜を束ねて』)」
村上知彦さんの書かれているライナーノーツもいいです。
「
神戸というのはこんな雰囲気の街だ」という一文に
思わず「そぅそぅ」と相槌を打ってしまう私です。
そして、それは阪神淡路大震災から復興してきた今も変わりません。
私は、日ごろクラシック音楽を聴いているのですが、
非常に気に入ったので、まことに門外漢ながら、レビューしてみました。
中村よおさんの新しいアルバムが待たれるところです。
(2013.3.17 追記)
新しいアルバム出ました。
中村よお、ニューアルバム『
ヘンリー・ミラーのように』
また、旧アルバム2枚も
リマスター、紙ジャケ+
ボーナストラック2曲で
同時リリースされました。
『
中村よお』
『
20年後の神戸で逢いたい』
ご参考まで。