作詞 菊池成孔 作曲
渋谷慶一郎 という、日本屈指の音楽家が作り上げた最高品質のJ−POP。音の密度がとにかく半端無いにもかかわらず、曲はどこまでも
ポップでキャッチーである。こういう曲を聴くと、いかに今のJ−POPシーンがやばい状態なのかをつくづく思い知る(
カウントダウンTVを見よ!酷いカラオケが溢れている)。
才能溢れるおもしろい人達がどんどんJ−POPを作ってくれれば、韓流だとかそういうの全く関係なくなるのにね。とにかく
渋谷慶一郎の仕事にリスペクト!(この前の相対性理論とのコラボもめちゃくちゃすばらしかった)。
HDカメラで撮られた本作は「活動写真」ではなく、あくまでPVの域である。だから浜崎あゆみの演技力がどうだこうだというべきものではない。行定監督も「実験映画」とメイキングで言いきっているし、どう浜崎あゆみを綺麗に撮るか、というのが目的だから。でもそこに
伊勢谷友介、
香川照之、中村久美などの一級俳優が加わることで、品格が出たのは確かである。それと何といっても撮影監督・篠田昇の光と影の芸術。本作はこれに尽きるだろう。スタジオでも群馬の森の中でも鮮やかな風景を描写し、かつ俳優をその中に溶け込ませる技術はやはり超一級だ。メイキングではその撮影風景や、今では聞くことのできない篠田自らの本作に対する取り組みや浜崎への感想が語られており、これだけで永久保存版である。行定監督も岩井俊二も、篠田昇亡きあとは以前ほどの作品を撮れていない。その意味でも映画ファンはこの作品を観るべきである。PVをカツドウ屋が撮るとどうなるか、その映像美を堪能してほしい。星5つはすべて篠田昇に捧げるものである。
久しぶりにいい作品を見ました。
NHKはたまにとんでもなく素晴らしい作品を作りますよね。
まぁ、とんでもなくつまらない大河ドラマを作ってくれますが、
この役者さんも素晴らしいですね。
吉田茂を演じた役者さんも
「スゲー」と思いましたが。
とにかく、いい作品!
感動した!!
出来る事を少しでも一つでも始めて行こうと、そう思える内容です。
伊勢谷友介さん、昔は好きではなかったです。男前過ぎるからwでもただのモデル上がりの俳優と思ってた自分が恥ずかしくなる程素晴らしい人物でした。俳優を越えて素晴らしい人間だと思います。彼の行動を一つでも見習いたいとそう思える内容です。良本です。
よくもまあこんな売れなそうな傑作をこの時期に創ったもんだと、是枝監督の挑戦根性には敬服しました。カルト教団(もちろん本人たちにそういう意識はないんだろうが...)の団員の入団の前後、そして集団自決の前後、さらにその遺族(被害者家族と加害者家族)の前後がしんしんと折り重なり、そこには静寂と絶対譲れない怒りが存在し、まさに満場一致で解決出来ない人々の一番真剣な部分の、時に静か時に激しいブツかり合いが主題です。感心したのは、当初はどうせ遺族の悲しみにのみスポットライトが当たっているものと思い込んでいたのですが、むしろ主題にされているのは信者たちの無垢な真面目さ。白や黒で語れる問題ではないということがひしひしと伝わってまいります。
「幻の光」でも感じたことだが、是枝監督の作風は非常にヴェンダースのそれに近いものではないかと思われます。それは監督がヴェンダースファンだということではなく、きっとヴェンダース同様タルコフスキーや小津映画から多くを学んだのでしょう。とにかく静か。だから意味深な静寂にあまり興味のない人には酷な作品だと思います。
DVDの編集の出来としてはマズ本編があって、字幕は
英語だけ入ってて、トレイラーといくらかの特典映像が挿入されているのですが、私見では同年代としてARATAと
伊勢谷友介のぶらり旅映像が面白かったです。カラッカラっとした
伊勢谷友介とノッタリしたARATAの生み出す不思議な空気が、なんだかとっても心地良くて、是枝監督の青年の演出の仕方の腕前にも驚きでした。さらにトレイラーの最後に、出演者みんなで「DISTANCE」ってボヤくところがえらくカッコよくて、何度も何度も巻き戻してマネしちゃいました。ああいう節々に散りばめられた小さなアイディアがいかにもモダンで質の高い監督の特性です。