そもそもこの
タイトルの出所が、アメリカ映画「王様と私」のナンバーなのだから、リメイクで里帰りしたと言えるだろう。ただ、日本映画の一大傑作であるこの映画のストーリーは、あくまで「日本の中年男」の心情を描いた映画で、そのままアメリカナイズしても成功するものか、見るまでは大いに疑問だった。夫婦関係や社交ダンスの捉え方が日米では決定的に違うはずだから。しかし、結果的には、その「日米の違い」を逆手にとった脚本が見事に成功していると言える。草刈民代さんの俗世間離れしたヒロインに比べると、ジェニファー・ロペスはフツーの「ダンススクールの姉ちゃん」に見えるのが何とも違和感があって、日本版と対照的なキャリアウーマンの奥方のほうが、ずっとかっこいい存在に見えてしまったのだが、クライマックスに主人公が正装して花を贈る対象が奥方だったという、ヒロインはむしろ奥様というオリジナルとの逆転発想が、お国柄を反映してなかなかいい結末になっており、すっかり納得。日本の亭主がこれをやったら絵にならないが、リチャード・ギアならサマになる。渡辺えり子や
竹中直人にあたる役者も、なかなか面白いキャスティングで楽しめる。オリジナルの精神を尊重し、いい意味でのアメリカナイズが成功して好感の持てる出来上がりと言っていい。
絶版になっている本なので記載されてるデザインは古い感じですが、布の扱い方や仕立てのポイントなどはとても参考になりました。実物大型紙もちゃんとありますしアレンジすれば好きな形が作れます。パニエの作り方はとてもgood!!ただ、作品の数が少なくて似たようなものが多かったので星4つにしました。
同じ素材を使いながらリメイクというより全く別もの、たとえて言うならば懐石料理と
フランス料理に仕上がっていると思います。どちらかというと地味だけれどじわ〜っとくるオリジナル版、主演俳優二人がかっこ良くて華やかでみんながハッピーエンドをむかえる
ハリウッド版どちらもいいと思います。久しぶりにリチャード・ギアを見て第一印象はちょっと年が・・でしたが、社交ダンスが段々さまになるにつれ、大スターの貫禄が光り輝き”タキシードに深
紅のバラの花”はプリティーウーマンを思い出します。ダンス教師、お尻の大きな女性ダンス仲間、浮気
調査の
探偵など脇役もいい味を出していたと思います。
リチャード・ギアの
ハリウッド版もよかったですが、本家本元の魅力にはかないません。役所広司も
竹中直人も海外へ行くと「『shall we ダンス?』の役者か」と言われるとインタビューで言っていましたが、それほどまでに評価の高い作品を日本映画が生み出したことを誇りに思います。
特典映像についてですが、
●映像で見せる「『Shall we ダンス?』アメリカを行く」
これは期待したほど面白くはありませんでした。ホームビデオをダラダラと見せられている感じです。
周防監督が書いた著書「『Shall we ダンス?』アメリカを行く」を読んだ方が、アメリカで受け入れられるように短くカットせざるを得なかった苦労話や監督が行った講演のエピソードなど、現地の空気が伝わってきて、よっぽど面白いです。
●役所・草刈・竹中のインタビュー
台本を読んで役所広司がつぶやいた言葉に、「役者というのは台本を読んだだけでここまで想像するものなのか」と感動した話など、演技ではシロウトの草刈民代のインタビューが、私達見る者と同じ視点で撮影風景を語ってくれるので面白かったです。
●「恋の10ダンス」ビデオクリップ
私はこれが一番特典映像らしいお得な映像だと思いました。歌姫ナツコ(清水美砂)が歌う「恋の10ダンス」に合わせて、映画では描かれなかったダンス教室の面々の日常風景が見られます。
本編に入れるはずが編集でカットされた映像なのか、それともエンディングで当初流すつもりの映像だったのかなと思いました。