ことの発端は浅田次郎 蒼穹のすばる(歴史小説)から入り、史実(真実)はどうなのか知りたく読んでみたものです。
関心を持っていたのは以下;
・ 日本の太平洋戦争への過程を知る為の参考にしたい。
・
西太后は本当はどういう人だったのか?
・ 珍妃殺害犯はだれだったのか?
・ 宦官の実態をもっと知りたかった。
上記全てに対し、この本が情報を提供してくれます。
平行して読んでいた”
紫禁城の黄昏”(これも史実)と一部で、内容・解釈が異なるところがある。
当時の中国は、世界中の野望・欲が集中していた大陸であり、立ち位置により考えがこんなにずれるものかと、これもまた興味深い。
過去に数々の本が出ています。今現在でもラストエンペラー愛新覚羅
溥儀氏の私生活は謎に包まれています。
ベルトリッチ氏の映画が封切りになった80年代から現在まで氏の回りで書かれてきた本を目にしてきましたが、本書はとても興味深く一気に読んでしまいました。
彼自身のつかみどころのない性格、信念とは程遠い生き方、手を差し伸べる人の顔色を見つつ、そうせざるを得ない時代背景と育った環境は他を追随させないものがあります。これまで目にしてきた中にはない彼の性格を位置づけるものを感じ少しほっとしています。
これまでと同様に数奇な運命などとは一言で語りつくすことのできない真実がそこにはあり、その歴史の一端を少しでも垣間見た興奮は今後も又何度も読み返す一冊となる事でしょう。
簡単に書くと、関東軍主導で建国された傀儡満州国。その関東軍と皇帝
溥儀との会談録。外務省派遣の
溥儀お抱え通訳・林出氏が詳細に記録し外務次官等宛に内密にこの会談録を送っていたのが出てきて、それを筆者が短く読み物としてまとめた本。って感じ。会談録そのままの文章や、
溥儀の「我が半生」からの引用も含め史実との相違が浮き彫りにされている。皇帝
溥儀が決して口外できない様々な「密約」の数々などなかなか興味深い。
…関東軍(日本)が清国宣統帝・
溥儀を利用し(中国東北部)とどのような関係を築きたかったのか。それがダイレクトに見える。と感じた。