最近話題になっている盲導
犬とそれに関係する人々の
ヒューマン&ドッグドラマです。
ジョナサン(クイールの幼名?)と檀ふみ演じるブリーダー、そして近所の子供たちとの関係を描いた1話目。
沢口靖子、勝村正信演じる
パピーウォーカー(盲導
犬になる
犬をボランティアで育てる里親)に
預けられ、人間とのふれあいの中で人を好きになる過程を描いた2、3話。
そして4話以降は
犬嫌いである玉置浩二演じる視覚障害者の渡辺さんが
登場し、本格的に動きます。
最初はクイールに戸惑いながらも四苦八苦して盲導
犬と共に
生活し、やがてお互いになくてはならいない程の深い絆で結ばれるまでの
存在になる過程は見ている者をググッと引き寄せ、その展開に
知らず知らずのうちに目に水が溜まります。
また物語りは、うじきつよし演じるトレーナーを通し、1頭の盲導
犬を
育てるのにどれだけの苦労があるのか教えてくれます。
最後の渡辺さんとその家族、そしてクイールとの場面には本当に涙します。
この話を通して盲導
犬の存在意義が深く人々に浸透すればいいなと思います。
余談ですがこのあと玉置さんは北海道盲導
犬ユーザーの会のために
『ひかり』という曲を提供されています。
2年ほど前、NHKで同名のテレビドラマがあった。
犬の里親、盲導
犬の訓練士、視覚障害者のそれぞれの想いと
犬との絆に素直に感動したのを覚えているが、本書はその原作である。
半分が写真、半分が文という体裁で、物語というより、クイールの思い出のアルバム、といった印象である。文章が少ない分、ストーリーそのものに感情移入していくのはやや辛いが、それを秋元氏の深みのあるモノクロ写真が補って余りある。最後のページに、クイールの仔
犬の頃のあどけない写真を配したのは、演出としては少々あざといと思いながらも、きっちり泣かされた。
ともあれ、なかなかいい本である。
9年前、本屋さんで出会ったクイール。9年後に再会したクイール。9年前も9年後も、盲導
犬は道具ではなく友であると、クイールは教えてくれてます。冷静で淡々と語られる文章と、白黒の世界の中で幸せに輝いて見えるクイールの写真。それらの全てが、盲導
犬という仕事を与えられた幸せな
犬の一生を語り尽くしています。また、視覚障害者のパートナーとして働く盲導
犬であっても、人の愛情に支えられ、育まれ、慈しまれ、一生を終えていく姿から、家庭で家族として一生を終えるペットと何ら変わりがない、ということを私達に教えてくれるに違いないと思います。