毎回違う病名で、多彩なゲストが患者として出演しますが、ひとりひとりの患者に親身になって接する(竹野内豊さん扮する)楷先生の姿に心が打たれました。楷先生自身も心の病を抱えていて、その原因が最終回に近づくにつれ、徐々に明らかにされますが、最終回で竹野内さんが口をふさいで泣くシーンは圧巻です。竹野内さんが小児科医拓巳先生を演じた「星の金貨」にも彼が口をふさいで泣くシーンがあってかわいかったですが、その時とは一味違った、成熟した名演技が観られます。
近年のテレビドラマの中にあって、これは出来が良いほうです。脚本が良いせいだろう。決して笑えるようなコミカルな作品ではないが、シリアスな面白さで見て損は無いと思う。最後まで観れた、近年の作品にしては希な作品だ。つまり「観るに耐えられる作品」ということ。今こういうのないですからね。
日本テレビ系列で2002年の秋クールに放送された作品。竹野内豊が演じる精神科医の楷恭介は、自身も心に病を抱えており、いつも真摯に患者と向き合います。患者の方も様々な病や悩みを抱えており、個性的なゲストがそれを演じています。
どの話も内容が濃いのですがこの第3巻は特にオススメで、第7話は主人公の過去に迫る重要なストーリー、第8話は小雪と
唐沢寿明が兄妹役で出演、第9話は
大塚寧々と泉谷しげるが親子役で出演するなど、個性豊かな役者が多数出演し飽きさせません。
派手さはありませんが、脚本がしっかりしているため、じっくり腰を据えて見ることができる骨太な作品に仕上がっています。レンタル版DVDが出ていないのが残念ですが、もしレンタルVHSがまだ残っているなら、見ても損はないと思います。