まず、一番のポイントはあの西村和雄氏の直接の説明が聞けることだろう。氏は家庭菜園の本を多数出したり、雑誌に連載を持っているが、なかなか動画では見られない。本ではいまいちわからなかった部分も一目瞭然である。あと、想像以上にダンディーな声(笑) 特に第3巻の各野菜の成長状態を見て、どうすればよいか、またはどうすればよかったかを語りながら、農園を回るところは、「なるほど!」と思わせる箇所が多く、中級者でもためになると思う。 第1巻、第2巻は種蒔きの基本などの初心者に向けたものだが、西村氏独自のまき方などもあり、意外にに私のような何年も経験があっても楽しめる。 第4巻はマニアック!民間伝承の天候予測法!って・・・面白い!どれくらいあたるものか、試してみたくなった。
秋冬編となっているが、第1、2巻で種播き、苗の植え付け、水やりなどの基本は押さえているので、春夏野菜であっても同様に使えるだろう。第3巻は秋野菜特集だが。
初心者は確かな基本を知ることができ、中級者はしらなかった原則を見直すことができるので、買って損はないだろう。
ただし、音声がところどころ小さかったり、遠くでイノシシ狩りの銃声が聞こえたりしてびっくりしたので(臨場感ありすぎ!)、音声面で星を一つ減らせていただきました。内容面は5点満点です。
お米がきれいだし、おいしかったです。また買いたいと思います。
自然農法で野菜を育てる本としては大変親切な本が出来た、と思う。今まではどちらかと言うと、その基本にある考え方の方に重きが置かれていた様な気がするが、本書はこの本を通して実践して見ましょうタイプの本である。野菜をそだてるにも、実践と哲学の両輪が回らないと車は走らないのだ。
世の中には色々な農法があり、それに取り組んでいる時にはそれが唯一無二、そうで無くてもオールモストザベストでなければならない。農法の哲学部分が勝つと、一寸宗教っぽいかも知れない。他を排斥しようとする態度も宗教っぽい...。その枠が取れて、『エ〜ッ、こんな簡単で良いの?』、となったら面白さだけで人は真似をする。収穫出来れば尚嬉しい。
自分に合っているもの、環境的にも周りに悪影響を及ぼす事が無く、作る方にもサービスを受ける方にも出来るだけ公平で、且つ安全で美味しい野菜を出来るだけローコストで収穫出来る農法を見つけるには、2−3年と実践し初めて土が変って来るものらしい。
自然農法と言えども、自然そのままでは野菜は出来ない。野菜を作る、と言う意識は必要なのだ。でも、人間には何も出来ない。野菜が自らの根っ子で土を変えて行く。その後ろには小動物や微生物等々の働きがある。人間は野菜が草に負けない様に、野菜が余分なエネルギーを使わないで良い様にする位しか出来ない。お守り役だが放置ではない。アテンションは常にしっかりと向けておかなければならない。
土が変って本当に植物が健康であれば、虫は付き難くなる。でも、其処を更に追求していくと種、そして種を採る植物の育てられ方まで遡らなければならない。また、圃場の微生物環境が安定して行くと仮定しても、自然が相手だから変化は常にある。自然界は常に生々流転を繰り返す。
一つの農法が日本を席巻することは有り得ないと思うが、自然農法で作られた米が一キロ一万円もすれば、それは特権階級しか口に出来ない代物である。どんなに手がかかっていても市場の原理をはるかに超えた価格付けは正しいとは思えない。私の様な消費者は反発さえ覚えるので得策とは思えない。
野菜を育てる上では観察する力、感知する力、対処する力等々が必要となるだろう。そしてどの農法も定着し、成果を出すためには時間が2−3年は最低必要な様だ。
我が家でも小さいながら家庭菜園を始めて、当たり前のように牛糞堆肥など入れてしまい、自然栽培を勉強する前でしたのですっかり後悔しています。野菜作りは土作りが基本であるというのはなんとなく頭では分かっているはずでしたが、野菜本来の力を引き出す魔法の土作りは、実は肥料でもなく土壌改良剤でもなくましてや農薬でもありませんでした。有機肥料は安心というイメージが有りましたが、現実を知らされると普通の市販されている野菜などには手が出せなくなります。野菜の種一つとって見ても、現代の野菜はまさに工業製品と呼びたくなる現実。戦後何事も生産効率優先でやって来たおかげで、世界第5位の農業生産大国の現在が有るのですが、優先順位を取り違えたために起こっている様々な環境や人体への影響に、未来の子供たちを支える人たちには特に気が付いて欲しいと思います。また、このDVDを見る前に、関連本に一通り目を通しておくと、なお現実味が出て宜しいかと思います。今後も木村さんを始め野口さんや関野さん、ほか大勢の先駆者の方々のご活躍を陰ながら応援させていただきます。
家庭菜園で、農薬も動物性堆肥も使いたくなくて、自然農法系の手引書をこれまで何冊も購入してきましたが、どれも農業初心者で、周りに先生もいない自分にとっては、イマイチ難しく、家庭菜園を始めて2年、雲をつかむような感覚しかありませんでした。 が、この本は写真入りで、雑草から見る畑の土の状態や対処の方法が分かりやすく書かれており、今年はやれるかも!!と希望がわいてきました。自分のこれからの人生、土なしの場所では生活し得ないと思っているので、頭ではなく感覚で知恵を体得して、生涯生かせる経験を積み重ねたいです。
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